東方ワンドロ乗っ取り騒動

2013年7月下旬、Twitterお絵かき企画「深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」を艦これが乗っ取った騒動のまとめ。
その延長線上で2015年3月中旬に起こった「ワンドロ魚類騒動」についても述べる。

以下のTogetterの記事も参照。
今さら学ぶ東方ワンドロ乗っ取り事件
【ワンドロ】この魚の絵、艦これと関係なくない?→は?俺の作風知らないお前が悪い→焼き魚へ
魚類氏(ついでにモレノ氏)は何がいけなかったか

ワンドロとは?

「深夜の真剣お絵描き60分一本勝負(通称ワンドロ[1])」とは、出されたお題に沿って60分以内に絵を書き上げて投稿するTwitterのお絵かき企画のこと。元々は東方Projectお絵かき企画として発案されたが、現在はお題告知用のアカウントが中心となって様々なジャンルの絵が投稿されている。

ワンドロの基本的なルール
①開始時刻は22:00、終了時刻は23:00(作品ジャンルによって前後あり)。
②事前に出されたテーマに沿って絵を60分以内で描き上げる。
③「#深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」のハッシュタグ[2]をつけて絵を投稿する。

ワンドロは企画当初オールジャンルを目的としていたのだが、企画者の趣味が東方であったことや参加した多くの絵師が東方関連の絵を投稿していたこと、そして多くの絵師に関心を持ってもらうという観点から、事実上の東方専用タグとなっていた。これはワンドロで投稿された絵を自動収集するサイト「1draw」についても同様で、URLに「aqn[3]」の文字が使われていることからも伺える。無論東方以外のジャンルでの参加は可能だったが、1drawが混同して収集してしまうことを避けるため、ハッシュタグに「#〇〇版」と作品名も入れることがマナーとなっていた。

しかし、ワンドロの企画者である@kuroneko262氏がアカウントの凍結に巻き込まれ企画の中止を発表。後任に指名した東方同人絵師の一人であるRebecca氏にハッシュタグとアカウントを引き継がせることで、企画の消滅は免れた…かのように見えた。

艦これによる東方ワンドロの乗っ取り

ところが管理人となったRebecca氏は艦これ同人絵師であるモレノ氏と結託し、ワンドロに艦これをねじ込むことを画策。ハッシュタグ「#深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」を東方と艦これの二重タグとし、艦これ絵師を扇動して絵を描かせることで、1drawを艦これで侵食しようとしたのである。その結果1drawは東方の絵と艦これの絵が一緒に収集されて混在し、東方絵収集サイトとして機能不全に陥ってしまった。当然のことながら参加する東方絵師から抗議が殺到したのだが、両氏がぞんざいな対応をしたことで更に炎上することになった。

結託時のRebecca氏とモレノ氏のやりとり


艦これをねじ込む理由の「毎日電を見たいから」という身勝手極まりない所が注目に値する。
こんなやり取りをTwitterでするとかリテラシーもクソもないな。

二重タグを【活用】と表現するRebecca氏









事実上の東方お絵かき企画として成立しているところに、艦これを無理やりねじ込むことの意味を理解していない様子。
「なぜ批難されているのかわからない」といった風を装っているが、反論する術を持たないので惚けたふりをしているのだろう。
二重タグにした理由に「ブースト」を挙げているあたり、東方を踏み台にしか考えていない&艦これ単独では企画が成り立たないと考えていることが透けて見える。

一度垢消し逃亡するもすぐに複垢で馬脚を現すRebecca氏






しかし炎上が加速する最中、2013年9月下旬に「東方警察」捏造騒動が勃発。その余波で東方アンチの艦豚が大挙として押し寄せ、次々と艦これ絵や東方の中傷絵が投稿された結果、ワンドロタグが艦これによって占拠される事態に。炎上でRebecca氏が姿を消した[4]ことにより「#深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」は管理者不在となり、代わりに「#艦これ版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」が誕生して管理人にモレノ氏が就くという、見方によっては「艦これによる東方ワンドロの乗っ取り」としか言いようがない結末を迎えることとなった。

Rebecca氏とモレノ氏が行ったことは冒頭の通り、他ジャンルが作品名のハッシュタグをつけて東方との混同を避けている中での行動であり、界隈が暗黙の了解として守ってきたマナーを堂々と破り捨てるようなものである。ワンドロ自体が参加者の良識に依存し、明確なルールを敷かずに運営してきたことも原因の一つではあるが、その抜け穴に付け込んだのは紛れもない事実であり、両氏が批難されるのは当然のことと言えるだろう。

ワンドロを乗っ取られた東方側は新たに管理人を立てて再開、1drawは艦これ絵を排除することで事なきを得たものの、この出来事が切っ掛けで東方界隈と艦これ界隈の間に決定的な亀裂が発生。現在までの長きに渡る双方のいがみ合いが続くこととなる。

ワンドロ魚類騒動

ワンドロ魚類騒動とは、上記の出来事が起こってから約1年半後の2015年3月中旬に発生した「艦これ版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」にまつわる一連の騒動である。本件は第14回MMD杯における騒動の延長線上にあるが、騒動の過程で艦これによる東方ワンドロの乗っ取りが掘り返されたことで更に炎上被害が拡大することになった。(第14回MMD杯の騒動については小関直哉(オメガ)を参照)

騒動前夜

第14回MMD杯における一連の騒動により活気づいていたハセカラ界隈だったが、2015年3月14日に一部の過激なハセカラ民が次なる標的を艦これワンドロに定め、無関係な尊師関係の絵に艦これワンドロのハッシュタグをつけて投稿する荒らし行為を開始[5]。しかし艦これワンドロの管理人であるモレノ氏は「面倒臭い事案」「反応したら喜びそう」といった理由をつけてスルーし、何の対策も行わなかった。ところが翌日になっても荒らしは続き、淫夢厨や便乗荒らしが介入し始めたことでグロ絵やスカトロ絵までもが投稿され始めるなど事態が深刻化。ようやく事の重大さを理解し始めたモレノ氏は荒らしの主犯を「なんJ」と断定したが、やはり「反応すると喜ぶ」と言って静観を続けた。その結果2日にわたって荒らしが野放しとなり、更に多くの荒らしの誘引とハセカラ民の注目を集めたことで、後述の騒動の収拾が不可能となる事態を招くこととなった。

ワンドロ魚類騒動勃発

2015年3月16日、荒らされていた艦これワンドロに艦これ絵師の魚類氏が現れ、お題「青葉」に対して「青葉のセリフを喋る手足がついたマグロの絵」を投稿。この「艦これに魚を絡めるネタ」は魚類氏の持ちネタ、つまり内輪ネタだったのだが、そんなことを知らない他の絵師たちは魚類氏を艦これワンドロを荒らし続けている人間と同類と見なし批難を浴びせた。しかし魚類氏は批難したユーザーをTwitterで晒し上げ、更に「自分の好みに合わない絵を悪者にして晒し上げるのは良くない」ブーメランを投げながら挑発。また「どう見ても艦これの絵じゃないんだから荒らし扱いされても仕方ないのでは」という指摘に対しては「(自分の作風を)知らないのはお前らの問題だし、そもそも魚は駄目なんてルールはない」と返答し全く取り合わなかった。このいざこざに対して管理人のモレノ氏が介入したのだが、あろうことかモレノ氏は魚類氏の絵を「うん、これは青葉だ」「青葉の特徴を捉えているのでワンドロ的にはアリ」といって艦これ絵認定してしまう。その結果、艦これワンドロは魚類氏の擁護派と批難派に二分し大炎上することになった。

なお上記の通り「艦これに魚を絡めたネタ」は魚類氏の持ちネタであり、Pixivなどではそのシュールさから「これを艦これと言い張る度胸」という固定タグができるほどには一定の支持を得ていた。しかし「魚に手足を生やし、適当に艦娘のアクセサリを付けただけの絵を描く絵師を艦これ絵師と呼ぶべきなのか?」という問題があり、それが表に噴出したのが本件の騒動と言える。加えて所詮内輪でしか通用しないネタを公に持ち出し、あまつさえ批判してきた相手に「知らないお前が悪い」と責任を擦り付けたことも大きな問題と言えるだろう。

炎上の更なる拡大

上記の騒動は大きな広がりを見せ、ついにはハセカラ民の耳にまで届くことに。そして興味を持った彼らの調査により、先の「東方ワンドロ乗っ取り騒動」における顛末や、Rebecca氏やモレノ氏の問題発言などが次々と掘り返されてしまう。「艦これワンドロは東方ワンドロを乗っ取ることで成立した」と知ったハセカラ民達は、これを大義名分として艦これワンドロに侵攻を開始。上記のワンドロ魚類騒動におけるモレノ氏の発言を「魚に手足を付けただけの絵が認められるなら、艦娘のコスプレした尊師の絵でも問題ないだろう」と解釈し、次々と尊師イラストを投稿し始めたのである。これにより先に艦これワンドロを荒らしていた者たちの間にも「艦これワンドロには何を投稿しても構わない」という解釈が広がることとなり、ありとあらゆる画像の氾濫&複垢による夥しい数の連投が連日にわたって続いた結果、2015年3月18日深夜0時を以て初代艦これワンドロは完全に機能停止、管理人のモレノ氏は姿を消すこととなった。

騒動の余波とその後

機能停止した艦これワンドロは、有志が作った後継アカウント(@kancolle_1draw)が引き継ぐことで再出発を図ることに。新運営は旧運営の我関せずの態度を反省し、積極的に参加者の選別をしていく方針へと変更。その結果18日の艦これワンドロではグロ画像等が徹底的に排除されたが、それと同時に尊師風艦娘の絵も弾かれハセカラ民の不満を買うことになった。

翌19日、尊師風艦娘の絵を投稿していたハセカラ民絵師が16~18日の3回とも絵を弾かれたことを踏まえ、Twitterアイコンを普通のものに差し替えた上で何の変哲もない「天龍」のイラストを投稿[6]。しかし新運営はこのイラストを一時的RTしたもののすぐに解除。説明を求められると、「過去にワンドロ騒動に関わった人間はRTしない」と釈明した。それに対しハセカラ民からは「私怨による明らかな差別行為ではないか?」という批判が噴出。その結果ワンドロ魚類騒動における「偏った判断による肯定」とは逆の「偏った判断による否定」により再び大炎上し、新運営は無断でIDを変更して逃亡したがすぐに動きを捕捉され敗走した。その後、放棄された艦これワンドロのアカウントが何者かに取得されたことでワンドロは再開。比較的中立的に活動したため、これをもって一連の騒動は鎮静化、決着となった。

艦これワンドロは現在も続行されているものの、フォロワー数は2015年9月20日時点で1万3000程度であり、旧運営の3万8000から大きく数を落とすという大きな傷跡を残した。一方で2015年3月18日には「魚類ワンドロ」なるものが登場。こちらは主催者が「騒動とは無関係」と主張しており、その名の通り魚の絵を投稿するワンドロとして規模は小さいながら高クオリティの絵が投稿されている。

ワンドロ魚類騒動の概略

第14回MMD杯において激しい工作合戦の末、ハセカラ民の一般男性動画が優勝、7冠達成。
↓
それを快く思わない小関直哉(オメガ)が、ニコニコ大百科の第14回MMD杯の記事から一般男性動画を削除。
↓
ハセカラ民が激怒し逆にオメガの個人情報を開示。これをきっかけにハセカラ民の標的が艦これ界隈全体へ向けられる。
↓
MMD杯での成功に味を占めたのか、一部の過激なハセカラ民が艦これワンドロを強襲。(当初の計画では艦娘風尊師路線でのワンドロ参加)
時を同じくして、艦これ絵と言い張った魚の絵をPixivや艦これワンドロに投下していた魚類氏が、魚類氏を知らない人物からタグ荒らし紛いの行為を咎められ「俺のことを知らないのか」と逆ギレ。
↓
魚類氏への反感が高まり炎上。しかし艦これワンドロ主催者であるモレノ氏は魚類氏による魚の絵に艦これワンドロへの参加資格を認めてしまう擁護発言をする。
↓
これが「魚の絵が認められるなら艦これワンドロに何でも投下していい」と解釈され、ハセカラ民たちに付け入る隙を与える結果に。
↓
ここで、艦これワンドロはモレノ氏とRebecca氏による東方ワンドロ乗っ取りによって生まれた事実やモレノ氏の醜聞が今頃になって拡散。
更なる大義名分を与えられたハセカラ民が侵攻を開始、艦これワンドロが3次グロやコラ画像で埋まる。
↓
艦これワンドロ運営、しばらくの間企画を中止すると宣言。(2015年3月18日0時27分)
↓
有志の別人Aがワンドロを引き継いだ新・艦これワンドロを発足。(また別人Bが魚類ワンドロを発足。本人曰く 「絵師の魚類とは関係ありません。煽る目的もありません」[1][2])
↓
新運営、レギュレーションに違反していない絵を除外する。
理由は「騒動に便乗したと見られるイラスト、画像を貼ってる方、そのような事を過去にしたと思われる方も当アカウントではRTの対象外にさせていただきます。」
除外された天龍のイラスト。(ハセカラ民の@1_paka_氏作。草の恒心教コミュの生放送にて1時間きっかり証明済み)
↓
ハセカラ民による暴動が発生。新運営は艦これワンドロのアカウントを放棄して逃走を図ったが補足され涙目敗走。
↓
放棄された艦これワンドロのアカウントを何者かが習得。比較的中立な活動を始めたため、これをもって騒動は収束。
推測ではアカウントを習得したのはハセカラ民ではないかと言われている。

脚注・出典

  1. "One hour drawing"の略。「1時間描画」の意。
  2. 東方以外の場合は「#〇〇版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」とつけることが推奨されている。
  3. 東方Projectのキャラクター「稗田阿求」のこと。
  4. 後に艦これに鞍替えして活動していたことが判明している。後述のワンドロ魚類騒動の際、東方ワンドロに何食わぬ顔で戻ろうとしたところをハセカラ民に補足され袋叩きにされた。
  5. この時点でのハセカラ民の襲撃は大義名分が無いことに注意。そのため多くのハセカラ民は先走って襲撃し始めた者たちを「臭芋(無能な働き者)」と呼んで侮蔑していた。
  6. イラストを描く様子は恒心教ニコニコ支部にて中継されており、ワンドロのルールに抵触していないことも証明済み。