海外艦

提供:kancolleguti2ch
ナビゲーションに移動 検索に移動

概説

主に、日本の国外≒海を超えた向こうの国所属の艦に対する呼称として用いられている。但し、他の比較対象となる作品の大半は日本国外≒海外開発であり、見た目上は日本艦は海外艦であり、大陸で地続きの国(主に欧州)の艦は海外艦ではないという事になるので、単に「海外艦」という言葉を用いる場合にはある程度留意する必要がある。なお、便宜上この項目においては「日本視点から見た国外の艦全般を指す言葉」として扱う。

艦これの海外艦に共通する問題として、モチーフとなった艦に対する運営の知識や認識がガバガバすぎるため、各艦のキャラ付けが怪しいだけに留まらず、国辱レベルの扱いが日常茶飯時となっていることを念頭に置いておく必要がある。

外国艦に対する運営のやらかしは基本的に、第二次世界大戦で最も活躍した戦艦と言われるウォースパイトに対して「あまり有名ではない」などといった発言に代表されるように、絶対的な知識量の不足もしくは誤った認識・歪んだ認識に起因するものである。これについては海外艦のキャラ設定において、ウォースパイトよりもかなり前から史実を重視するゲーム(?)のはずなのに怪しい部分が散見されていた。

例を上げると、プリンツ・オイゲンの砲戦時の掛け声がアメリカ艦で使われるような「ファイヤー!」になっていることだろう。ドイツ艦なら「フォイヤー」が正しいはずであり、現にプリンツ・オイゲンより前に実装されたビスマルクのセリフではそうなっている[1]。それどころか日本艦でも怪しい部分があり、英国生まれだからと英語混じりのセリフを喋る金剛が「撃ちます!ファイヤー!」とアメリカ英語を喋りだす(英国式であれば「シュート」が正しい)といった例もあるため、言語周りの怪しさは最初期からのものであるといえる。ちなみに、前述2キャラから遅れること2016年に実装されたウォースパイトも「Fire!」と叫ぶ。場合によっては「Fire! fire!! fire!!!」と連呼する。まるで成長していない…

あまりにも突っ込まれすぎたせいか、ウォースパイトから更に遅れる事1年後に実装されたアーク・ロイヤルのセリフでは「Swordfish shoot!」と修正されていた。しかしアークロイヤルの場合は空母であるため、発射の「shoot」ではなく発艦の「Launch」の方が正しいことになり、余計に恥をかいた形になってしまっている。

このように攻撃時のセリフ一つ取ってもあまりにもガバが酷く、これ以外でも外国語の混じるセリフ全域にわたって頭痛が痛くなるような大量のガバがあるのだが、多すぎてまとめきれないためここでは割愛する。なお文字列を見て分かるガバだけでなく、実際にセリフを聞かないと分からない発音ガバも多数存在する。

これらの史実ガバは言語だけに留まらず、「実際の史実」準拠のキャラ設定周りでも散見されてる。例を上げると

・元ロドニー疑惑のあるネルソンが、史実では行わなかったはずの迷彩塗装になっている。
・アーク・ロイヤルの説明が「アークロイヤル級三番艦」になっていた(散々突っ込まれた直後にサイレント修正された)。
・先進的な対空装備を積んでいたフレッチャー級が、原始的な高射装置しかない秋月型より対空値が低くなっている[2]

等々枚挙に暇がない。また、実装される艦やドロップする艦がモチーフとなった海戦と全く関係が無いことも昨今では珍しくなくなった。例を上げると

・ヨーロッパが舞台なのに太平洋上でしか戦ってない日本艦がドロップしたり、バルト海が主戦場のスウェーデン艦のドロップ地点が地中海だったりした。
・米豪しか参加していないレイテ沖海戦なのに、無関係なソ連艦やイギリス艦(一応豪に譲渡された英重巡「シュロップシャー」は参加していた)がドロップした。
・ビスマルク追撃戦がモチーフのイベントなのに主役であるビスマルクやプリンツ・オイゲンに何もテコ入れがなかった。
・しかも、クリア報酬がビスマルク追撃戦に参戦したロドニーではなくネルソンだった。

といった事例があり、以後においてもガバにガバを重ねたツッコミどころ満載のイベントが次々と実装されている。

初期の頃の海外艦はあくまでもゲスト参戦の意味合いが強かったため、これらのガバは(艦これ界隈の中では)然程気にされてはいなかったのだが、最近はわざわざヨーロッパの戦場にまで行き、更にはヨーロッパの史実を元ネタにしたイベントまでやってしまったため、シジツッ設定のガバさ加減が注目を浴びる結果となってしまっている。

ちなみにアメリカの艦船を除くと、全ての海外艦は国によって絵師が統一されている[3]。例えばドイツ艦は全員島田フミカネ氏、イタリア艦は全てじじ氏と言った具合である。アメリカ艦も当初はそうだったのだが、国際問題に発展しかけた18冬イベ以後は複数の絵師が担当するようになった。絵師の統一が意図的なのかは定かではないが、これによって少なくともフミカネ氏が担当しているドイツ艦が、氏との疎遠により新規追加がまず望めなくなっているのは事実である。

詳しくは各艦の項目を参照。

海外艦のキャラ造形における問題点

以下は艦これに登場する海外艦に特有の問題点である。

やたら日本を畏怖したり、褒める台詞が多い

日本主体で作っている弊害か、海外艦が日本の文化や装備に過剰に興味を持つ&褒め称えるようなセリフや、自沈原因となった戦いで相手となった日本艦や艦隊を異様なまでに恐怖するセリフを発する者も多い。

一方で、自分の生まれた土地や自国の文化・日本艦との最期の戦い以外の事柄についてやたらと疎く[4]、上記と併せて「外国生まれ・外国育ち」である意味が無い。もはや艦これの海外艦は日本艦を引き立てる為の脇役に成り下がってるとしか言いようがない。最近では18冬イベによる欧米艦隊や英国艦隊による友軍艦隊実装で、更に脇役化に磨きが掛かった模様。

戦艦少女Rでは各々が自分の艦歴で学んだ教訓や反省について話したりしているのに比べると、なんとも製作陣の知識が薄っぺらに見えてしまう。

あまり漫画やノベライズに登場しない

コミカライズやノベライズが激減したせいもあるのだが、公式から日本艦と海外艦のやり取りをフォローするメディアミックス作品は殆ど存在しない。

これは艦これがキャラ設定の殆どを二次創作に依存しているせいもあるのだが、最近の艦これは公式・非公式双方で史実編成を重視している事もあって、新しい海外艦を出しても数自体が少ないために孤立してしまい、公式がゴリ押さないと人気が長続きしない一発キャラになりやすい傾向が強くなっている。最近になって海外艦3体主役の漫画「今宵はサルーテ!」が出たのだが、それに対してヒの艦これ垢は連載開始前の一言告知以降沈黙するというあまりにもな扱いをしていた(但し本作者のヒ垢はフォローしている)。

その一方でタニベのコスプレ出演を取り上げられた際には作品インタビュー内でやたらキャッキャするなど、推したいのか推したくないのかよくわからないことになっている。

他艦船擬人化ゲーでは、アズレンが公式Twitterの展開している漫画「びそくぜんしんっ!」をはじめ、史実にとらわれず国を越えた独自の人間関係の方が多く、どの陣営にもファンを固まらせない作りになっている。これは艦これ以前から存在するブラウザMC☆あくしずや萌え2次など日本製の陸海空複合型タイトルでも同様なので、余計に艦これの特異性が際立っていると言うべきである。

  • そもそも論として、艦これ・アルペRe以外の他艦船擬人化ゲーは原作ないしは開発母体が日本国外であるため、厳密に言えばこれらのゲームにおける日本艦の扱いは「外国艦」に含まれる事(+これに伴い「自国の艦船」の指す対象が艦これ等とは違う事)を留意する必要がある。

過剰反応レベルで外国語を入れることにこだわる

プリンツ・オイゲンのファイヤー発言等、海外艦の使用する外国語が目立った問題になったのは、アイオワやウォースパイト登場以降にミリタリ通や知識人を装う艦豚がしつこく指摘したことが原因と思われる。特にアイオワは初の大戦時に連合国側に所属していた≒敵だった艦であったことに加え、無理にネイティブのような英語を声優に使わせた事で、非難が集中してしまった(言うまでもないが、艦豚が「日本の敵」みたいな認識でゲームのキャラクターであるアイオワにヘイトを向けていること自体がおかしな話である)。

これに対して艦王も「ネイティブが納得してくれそうな発音」という点には非常に気を配るようになったのか、16夏に目玉として実装したウォースパイトはオーストラリアからの帰国子女と言う経歴を持つ内田秀を隠し玉として起用した。が、これが艦これにおいて「海外艦は絶対に母国の綺麗な発音で母国語を混ぜて話さなければいけない」という暗黙のルールを形成してしまい、以後海外艦が不自然に母国の単語を使う原因となった。そのくせソ連艦にソ連オタクでロシア語も得意な上坂すみれや、そもそもロシア出身のジェーニャを起用しないのはダブルスタンダードとしか言いようがない。

今ではすっかり海外艦が登場する度に艦豚が発音を監視するような状況に陥っているが、実は海外では日本の声優は演技そのものの評価が非常に高く、無駄に海外向けの発音にこだわる必要が一切なかったことが中国発のゲームの開発インタビュー等で判明した。実際にアズールレーンやドールズフロントラインでは、中国でのみ配信していた段階でもテキストのみ中国語で日本人声優の起用による日本語音声がメインで、そこまでキャラの出身国別に母国語を使うようなこだわりは見せなかった。自国の賞賛をしている割に自国の強みについて気付けなかったのはなんとも情けない話である。

ここまで発音の話をメインに指摘してきたが、実際のところ艦これにおける【海外艦の外国語】の主たる問題は、「当該国発祥ではない上に使われていない言い回し」「根本的な中高生レベルの文法間違い」など、発音以前の部分が中心である。これらはセリフ担当者の知識や認識に問題があるので、発音がネイティブになった所で全く無意味であり、これらが改善される見込みもないので根本的な解決に至る事はない。

実艦時代のエピソードへの言及が乏しい

運営の知識ガバと日本艦主体の姿勢が相まって、実艦時代のエピソードを語ることがほとんどない。

U-511以外のドイツ艦、イタリア艦はまだマシ(当時はtnks以外の人がキャラ設定をやっていたのだろうか)だが、連合国艦は実艦時代に何していたのかも語らないキャラばかりである。戦艦最速のアイオワ級、最多着艦記録のサラトガ、両大戦に参加したウォースパイト、未完成ながら砲戦を行ったリシュリュー等々、有名どころばかり選んでいるだけあってキャラ付けの際のエピソードには困らないはずなのだが…

海外艦の実装数

2022年6月現在。いずれも賠償・移籍艦は除く(稼働中の日本版に限る)。

タイトル 登場数 備考
戦艦少女R 327隻 架空艦のアイラは除外、ソノミラのみ登場の艦は含む
アズールレーン 268隻 架空艦のブリとネプテューヌ・うたわれるもの・キズナアイ・ホロライブ・DOAXVV・アイマス・SSSS.GRIDMAN・ライザのアトリエコラボ艦は除外
蒼藍の誓い ブルーオース 77隻 架空艦の赤とライザのアトリエコラボ艦は除外
ヴェルヴェット・コード
艦これ 41隻

それだけ?(睦月顔)

艦これ海外艦実装数国別順

2020年7月現在。いずれも賠償・移籍艦は除く。

枢軸国側 連合国側 中立国
イタリア…11隻
ドイツ…6隻
アメリカ…13隻
イギリス連邦…6隻
ソ連…2隻
フランス…2隻
オランダ…1隻
スウェーデン…1隻

因みに戦艦少女では日本を含め26ヵ国(アメリカ・イギリス・フランス・ソ連/ロシア・中華民国/中華人民共和国・日本・ドイツ・イタリア・トルコ・スペイン・スウェーデン・オーストラリア・ギリシャ・オランダ・フィンランド・アルゼンチン・ポーランド・カナダ・タイ・アイスランド・モンゴル・チリ・韓国・ユーゴスラビア・オーストリア=ハンガリー帝国・ノルウェー)の艦船が実装されている。

現在目玉として出せる日本艦が枯渇寸前のため、サービス延命対策で積極的に海外艦実装してるようだが、海外艦に興味がない&海外艦を実装すること自体が悔しい艦王の意向からか海外艦を非常に雑に扱うため、実装時にキャラが改悪されたり弱体化されるのは必然となっている。加えて言うと運営としては積極的に海外艦を採用しているつもりなのだろうが、「年4回しかやらないイベント海域でのみの実装」「実装される艦数は1隻、多くても2隻」というのが現状のため、実装ペースは他ゲーと比較して段違いに遅い。また実装される艦の殆どが日本艦である中で、入手法が尽く最奥報酬orドロ限などに設定されるために影も薄い。

更には日本海軍艦艇を中心&未だ有耶無耶な世界観が海外艦にとっての逆風となっており、「海外艦に興味がない」「海外艦が嫌い」「日本艦に思い入れがある」などといった思考の信者が未だに存在していることも相まって、海外艦を積極的に多く実装しても、かえって引退者が続出する可能性も十分にありえる。それどころか「海外艦が多すぎて覚えられない」や「有名どころしか知らない」と言う信者もいるため、例え艦これに海外艦を沢山実装しても宝の持ち腐れになると思われる。

上記の運営と信者の海外艦に対する関心の無さから艦これのサービス延命はかえって逆効果と思われるため、近々「護衛艦これくしょん(仮)」なるのものに移行するのではないか?という推測も立てられている。実際2019年3月には、戦中艦である日向に戦後装備や仕様(ぶっちゃけ現代護衛艦)のペイントや設定を付与した改二を用意するなど、露骨な主張を始めている。

なお余談ではあるが、中華製軍艦擬人化ゲームは当時の中国海軍(中華民国海軍)艦艇の数があまりにも少なかったため、「最初から国外海軍メインで行かざるを得ない」という宿命を背負っている。その結果、最初から世界中の艦を出す前提の世界観となり、ゲームの元ネタ枯渇を先送りできるようになったとも言える。

  • 韓国の場合はもっと深刻で、当時は海軍どころか国家自体が成立していなかったため、第二次世界大戦が主題の場合は完全に疎外されてしまう。
    そのため、戦後に韓国海軍へ譲渡された艦船(主にフレッチャー級やアレン・S・サムナー級)や朝鮮戦争に従軍した連合国の艦船(ニューカッスルなど。アズレンの韓国版でユニコーンがアプリのアイコンに起用されているのもそのため)を出したり、全く架空の艦船を登場させるなどの対応が採られる場合が多い。現役艦に関しては海軍が実名でゲームに登場させることを良く思っていないため、中華ゲーの日本艦とは別の理由で変名を使わざるを得なくなっている。
    なお、日本占領下の朝鮮半島にゆかりの艦名を持つ日本艦としては択捉型12番艦で未成となった蔚美(うるみ)があるが、日本と韓国の面倒臭い排外主義者を刺激するのが確実なので未成と言う点を割り引いても艦王が艦これに登場させる可能性は皆無と言って良いだろう。

ちなみに、過去の艦これクローンゲームブームの頃には当時の中国艦を超強化したものもあったが「バランスおかしいだろ!」と総ツッコミを食らっていたようである。他にも、「抗日神劇」的なシナリオを展開して「そういうの本当にやめろ」とマジギレされた事もある。但しこれらの行為については、アプリやゲームとして当局の審査を突破する為の言い訳・指導回避法の一環として行われたケースもある。

脚注・出典

  1. 更に言えば、これよりも以前に実装されていてドイツ関連ネタを色々引っさげていた伊8の攻撃時の掛け声も「フォイヤー」である。
  2. 艦これで秋月型に設定されている対空値を基準として正しく数値設定すると、フレッチャー級どころかかなりの数のキャラの対空がぶっ飛んだ値になる可能性が高い。
  3. 一部例外あり。「始めて軍艦になった時点の所属」準拠?
  4. 平気で文法間違いするのは日常茶飯事。その国発祥ではない・使われない言い回しや文化を語る事などもままある。