「浦賀船渠ノ航跡」中止騒動
2014年11月9日に開催予定だった同人イベント「浦賀船渠ノ航跡」について、開催3日前に運営が突如中止を発表し、参加者に対して主催者が発送した配布物を全て処分するよう通達したことに端を発する騒動のまとめ。
以下のTogetterの記事も参照。
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騒動の経緯
突然の中止の告知
「浦賀船渠ノ航跡」は【横須賀ノ横須賀ッ子ニヨル横須賀生マレノ為ノ艦これオンリー】というお題目の元で企画された同人イベントである。当時は艦これの聖地とも言えた横須賀での艦これオンリーということで界隈からの期待は高く、当初は上限40サークルの予定だったところを満了を受けて上限60サークルまで拡張し、最終的に56サークルの参加になるという盛況ぶりだった。
しかし開催3日前の11月6日、突如運営がTwitterでイベントの中止を発表。更には参加サークルに対して運営から発送されたイベント関連物を全て処分してほしいこと、今夜中に運営Twitter垢を削除することを一方的に通達した。当然のことながら界隈には困惑と動揺が広がることになり、運営のTwitterに対して「返金は荷物の返品対応はどうなるのか?」「証拠隠滅して逃亡する気なのか?」といった質問や抗議のリプが殺到。事情を話そうとしない運営に業を煮やし、有志が原因の調査に乗り出すに至った。
有志による調査の結果、イベントHPや配布物に使用されているロゴが浦賀船渠㈱の社章であり、浦賀船渠株式会社を合併吸収した住友重機械工業㈱が商標権を取得している可能性があることから、その権利を侵害しているのではないか?という疑惑が発生。また頒布物にも「浦賀船渠株式會社」の社名を無断で使用しているものがあり、そこから「社名やロゴを無断用いて配布物を作った後に住友重機械工業㈱から差し替え要請が入り、全てを差し替えると赤字になることから中止を決めたのではないか?」という仮説が立てられた。
その後運営は通達の通りにTwitter垢を削除。イベント公式HPは一時白紙化、後に謝罪文が載せられたものの具体性に欠く内容であったため、炎上は更なる広がりを見せることになった。
左:浦賀船渠㈱の社章(浦賀船渠㈱の船舶絵葉書より) 右:HPで使用されている浦賀船渠ノ航跡のロゴ
HPの魚拓はこちら(2014年7月3日時点)。なおロゴ部分は後に編集・削除されている。
運営からの中止の経緯の説明
11月9日のイベント当日未明、運営スタッフが自身のTwitterで開催中止に関する説明会を行うことを告知。イベントに参加予定だった人々が集まった説明会の中で、主催者は中止の経緯について次のように述べた(要約)。
・「浦賀船渠㈱」の社章、及び浦賀船渠内の写真をポスター、HPなどで無断使用したことが本イベント中止の理由である。HP及びツイッターの即時閉鎖に関しては、権利元からの指示で閉鎖した。 ・イベントを実行した場合、権利元からイベント開始前に強制閉会されるとの事態が発覚。ロゴの変更などをしてもイベントの中止措置はとられる事が分かったため中止の告知を出した。 ・ロゴは会社がなくなって50年経ってるので使用しても大丈夫と思った。写真は風景写真のつもりで掲載しており、ドッグ写真がアウトと知らなかった。 ・質疑権利元からの中止措置のメールなどの権利元からの証拠はあるが、権利元からの措置で公開はできない。 ・問題が発覚したのは11月に入ってからであり、関係者と身内家族を守るために運営スタッフは全員撤退した。 ・ロゴの仕様を決定したのは主催者の独断であり、他のスタッフは関わっていない。中止の最終決定も主催者の独断。 ・今後同様のイベントを開催する予定は一切無い。
しかしながら主催者は説明の中で「大丈夫と思った」「なんとかなると思った」「考えつかなかった」「できると思った」「知らなかった」といった曖昧模糊な発言を多用。過去に同じようなやらかし[1]でイベントを中止に追いやった前科もあり、権利関係についても意識が非常に薄いことが垣間見られたことから非難の声が浴びせられた。更には辞退した元スタッフ達も何故か主催者への非難に参加したことで、主催者が元スタッフを庇い元スタッフ達が主催者を袋叩きにするという異様な光景が繰り広げられることに。元スタッフ達は説明に苦心する主催者を眺めて忍び笑いを零したり、質問を投げられても「俺は悪くない」の一点張りだったことから運営の間でも既に修復不能な亀裂が入っていることが見受けられ、一般参加者からは「内輪揉めは内輪でやれ」と呆れられる始末だった。
中止後の動向については、幸いにも同日に開催を予定していたミリタリー系のイベントがいくつか存在したため、それらのイベントの運営が「浦賀船渠ノ航跡」中止の救済措置として臨時サークルの募集を開始。イベントの開催も滞り無く行われたため、サークルが頒布物を抱えて路頭に迷う事態は一先ず回避されることになった。その一方で「浦賀船渠ノ航跡」は中止に伴う返金対応でも再びいざこざが発生し、最初から最後までグダグダのまま終わる結果となった。
余談
「権利者」とは一体誰なのか?
説明会の後も一部者たちの間ではいくつかの疑問が付きまとっていた。それは「浦賀船渠㈱のロゴは既に商標権が消滅している」という事実[2]、主催者は「権利者」と言うばかりで具体的な明言を避けていることなどである。商標権が失効していたのであれば、何を理由に差し止め申請を行ったのか?ドッグ写真がアウトとは言っていたが、なんの権利を行使して差し止めをしたのか?そもそも権利者は一体誰なのか?いくつかの疑問が解決できぬまま迎えた翌日、Twitterに齎された一つの報告により事態は急展開を迎えることになる。
説明会の内容を不審に思った人が権利元と思われる住友重機工業㈱に確認を取ったところ、「浦賀船渠ノ航跡」のロゴについて差し止めを行ったという事実はない」「イベントの事前把握はしていないが、現在の状況については承知している。関知していない以上は当社としてコメントすることはない」という返答が得られた。つまり権利元として最有力であった住友重機工業㈱はそもそも関わっていないということになり、主催者の「権利者の差し止めによるイベントの中止」という言い分の根拠がますます薄くなってしまったのである。
しかしこれらの情報は主催者の炎上が加熱していた時期に齎されたものであったため、殆ど日の目を見ることはなかったと思われる。
運営の内部で何が起きていたのか?
中止説明会での主催者やスタッフの発言には整合性を欠いた不可解な点が多く、実際に運営の内部でどのようなやり取りがあったのかは判然としない。それらについて指摘や調査を行った者はいるものの、綾瀬なずなや濱澤更紗、ktgohanといった特濃艦豚によるものが殆どであるため、情報の正確性としては疑問を残すところである。
それを踏まえた上で尚興味のあるという人は、彼らが調査し纏めたブログが残されているので各自で参照されたし。