2022年10月瑞雲祭り4回目におけるパン食品表示法違反事件
C2プレパラート・C2機関が2022年10月1日、富士スピードウェイにて開催された瑞雲祭り4回目で確認されたパンの食品表示法違反事件についての情報。
食品表示法違反は犯罪です。
瑞雲祭りの公式サイトはこちら。
C2機関 "瑞雲"&"秋刀魚"祭り2022 in FSW(略称:ZUI Fes.)
https://zuiunfes.com/
最初にまとめ
- 担当者は個人として食品表示法違反の可能性。
(第18条/2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科) - 法人としては食品表示法違反の可能性。
(第22条/1億円以下の罰金)
「可能性」とついているのは、犯罪は成立しているものの、刑事事件として扱うかは保健所・公官庁が決めることだからです。 既に保健所が動いているので通報などをする必要はありません。
- 株式会社C2プレパラートおよび角川アーキテクチャは法律を守りましょう。
別に商売をするなとは言わないので、やらないといけないことはやりましょう。 - 食品表示法違反は犯罪です。対策をしたからといって、既に行った犯行は消えません。
きっかけ
カレー機関でのパン食品表示法違反事件で盛大なやらかしを行い、愚痴スレ民によってマークされていたC2機関。
彼らは富士スピードウェイでの瑞雲祭り『C2機関 "瑞雲"&"秋刀魚"祭り2022 in FSW(略称:ZUI Fes.)』にて新たに二種類のパンを作り、個包装して販売を行った。
購入した商品を信者がツイッターで公開。
またしてもパンに貼られていた表示ラベルに問題があるのではないかと疑惑が生じ、早速追及が始まったのだった。
食品表示法とは
【食品表示法】とは、食品の品質事項・衛生事項・保健事項をまとめたものであり、消費者にも事業者にも安心・安全でわかりやすい表示をするための基準を作った法律である。
簡単に言えば、お店で売っている商品のラベルに、何を書かなければならないか、どのように書かなければならないか、何を書いたらいけないのかなどを定めている。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 食品表示法の概要 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_summary.html
消費者庁 食品表示法等(法令及び一元化情報) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/
食品表示法の解説・紹介サイト
ここで幾つか挙げておくが、他にも多数あるのでお好みのサイトを探してほしい。
じゅさんあっと堺 食品表示の手引 https://www.jyusan-sakai.com/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%80%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%B8/%E9%A3%9F%E5%93%81%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D/
やさしい食品表示ラボ https://food-labeling-labo.com/bread-of-food-labeling/
【食品表示をしなければならないお店】 らくらくシェフ 利用ガイド http://www.rakuchef.net/wp/?p=404
東京都福祉保健局 食品の表示制度 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/
消費者庁 食品表示基準Q&A https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/
問題のパン画像
SNSであがっているURLを幾つか例示する。
なお、URLは瑞雲祭り4回目のページにあるものと同じであり、そちらで見ているのなら改めて見なくてもよい。
C2機関【秋刀魚パン】
C2機関試製【ずいぐるみ】パン
- https://twitter.com/akky_OD_No7/status/1576020486718308352(魚拓)
- 瑞雲焼きと秋刀魚パンとずいぐるみパンと「秋雲」クランベリーソーダと「雪風」アイスチャイ。(魚拓)
- https://twitter.com/hhfilm/status/1576026398254583808(魚拓)
- https://twitter.com/kb0083/status/1576030570634936320(魚拓)
- https://twitter.com/nana_Tloveko/status/1576041546071568384(魚拓)
- 潰れるとはいだしょうこが描いたスプーのような不安な見た目に・・・
- https://twitter.com/By0902shinystar/status/1576043082604490752(魚拓)
帰ってきた内容を検証 『艦これ』で学ぶ食品表示法
はじめに
まずは見やすい画像をチョイス。
※1のパンのラベルのみ
その他のサンプルも置いておく。
では、カレー機関のパン食品表示法違反の時と同じように、一つずつ見ていこう。
チェック項目の詳細は【パン食品表示法違反事件】を参照のこと。
表示義務
【OK】
食品表示基準では、個包装されているパンに関してはラベル表示をする義務を課している(食品表示基準第3条)。
一方、街のパン屋でトレイとトングを使って、むき出しで置かれているパンを選んでいき、最後にレジで清算して袋に詰めるような場合はラベル表示を免除している。
今回のようなイベントの場合でも、予め個別に袋に入った状態で売る場合はラベル表示が必要である。
キッチンカーの中で焼いて、購入者にむき出しまたは紙袋にでも入れて提供する場合は免除となる。
名称
【OK】
原材料名
【OK】
以前、ボロクソに批判された部分は大幅に改善された。
内容量
【OK】
賞味期限
【OK】
これも問題ない。無記入という前回がおかしすぎた。
保存方法
保存方法:直射日光、高温多湿を避けて、早めにお召し上がりください。
【違反】
何が問題なのかと言うと、『早めにお召し上がりください。』の一文である。
この文は賞味期限・消費期限にかかる内容であって、保存方法の話ではないので、「早めに~」の一文は賞味期限・消費期限の欄に書くかラベル下部あたりに諸注意の欄を設けて別途記載するべき内容なのである。
例えば「保存料を使用しておりませんので消費期限に関わらず早めにお召し上がりください」といった感じに。
この部分の記載は「直射日光、高温多湿を避けて下さい」だけならOKだった。
この欄に開封後の取り扱いなどを記載してしまうのは、他の事例でもよくあるミスなので、同業他社も注意したい。
ちなみにこれ前も書きましたよ?
製造者
株式会社角川アーキテクチャ 〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目13番3号
【違反】
理由は後述。
栄養成分表示
【OK】
欄外記載
【OK】
「製造者」のなにが違反なのか
平成二十七年内閣府令第十号 食品表示基準 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=427M60000002010
消費者庁 食品表示法等(法令及び一元化情報) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/ 食品表示基準Q&Aについて(平成27年3月30日消食表第140号) 第2章 加工食品[PDF:1.3MB] https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220615_03.pdf (加工-26)(加工-113~123)あたりを参照のこと
パンなどの加工食品に関して、幾つか必ず記載しなければならないものがある。
その一つがラベル表示責任者たる「販売者・製造者」と、「加工所・製造所」である。
製造者と販売者
ラベル表示責任者とは、商品に貼られているラベルの内容の責任を持つ者であり、当該製品の製造業者である場合には「製造者」、加工者である場合は「加工者」、輸入業者にあっては「輸入者」が担当することが基本である。
取り決めにより製造者ではなく販売業者がラベルの責任者となることができ、その場合は「販売者」と記載しなければならない。
「製造者」と「販売者」が別の場合は、その旨を別々で記載する必要がある。
『このパンはA社が作りました(製造者・商品を生産した業者)』、『その商品をB社が入荷し、各小売店に卸しています(販売者・卸売り業者)』ということである。
製造者と販売者が同一であるならば「製造者」の記載だけでよい。
取り決めにより別で記載する場合、どちらがラベルの内容について責任を持つのかを取り決め、予め合意しておかなければならない。
お互いが「商品に問題があっても、自分は責任を取りません。知りません」は駄目、どちらが対応するのかを決めておけという当たり前の話である。
加工所・製造所
「加工所・製造所」は安全性の確保の観点から、最終的に衛生状態を変化させる製造または加工が行われた場所の所在地を表示することが規定されている。
つまり、商品の最終的な責任を持つところであり、通常は工場であったり、作ったお店であったりする。
個包装したパンに関していえば、焼き上げたオーブンがある場所ではなく、最後に袋詰めをした場所になる。
この部分の氏名または名称については、法人の場合、法人登記されている名称である必要がある。
所在地は本社の住所ではなく、工場やお店の住所を記載しなければならない。
自社で大きな工場を複数持つ会社の場合、加工所・製造所となる個別の工場の情報を固有番号で代用することが認められている。
例えばヤマザキパンは「製造者」として本社の名前と所在地を書き、「製造所」である工場の情報は固有番号で代用している。
この場合、商品について何か質問がある場合は工場名がわからないため、ラベルに記載されている本社が責任をもって対応しなければならない。
製造者・販売者と加工所・製造所の関係
製造者・販売者は、「商品についての問い合わせ先」という目的であるため、名称や住所は必ずしも登記簿に記載されているものでなくてもよい。
要するに「A社 本社」「A社 お客様相談室」といった名前と住所でもOKということである。
一方、加工所・製造所の名称は必ず登記簿に記載されている法人の正式名称(法人ではなく個人なら個人のフルネーム)、所在地は実際に工場のある住所でなければならない(登記簿は英語だが、それをカタカナで記載する程度の違いは認められている)。
商品に瑕疵があった際の責任の所在を明確にしなければならないからだ。
これは目的が異なることから明確に区別をしなければならないのだが、製造者と加工所の名称が同一であり、なおかつ所在地が同一または隣接する建物である場合、加工所の記載を省略をすることができる。
「店頭で販売しているパンは、売り場の裏にあるキッチンで私達が焼いています」というケースである。
この場合、本社やお客様相談室などではなく、登記簿に書かれている正式名称と所在地(つまり加工所・製造所に準じた記載)にする必要がある。
前回のカレー機関でのパン食品表示法違反の際は、製造者を「カレー機関」と記載していた。
店内で作って売るのだから製造者と加工所が同一であり、住所も同じ。だから記載省略が認められる。ここまではいい。
しかし「カレー機関」は店の屋号であり、登記簿に記載されている正式名称であるPleasurePartyではない。だから違反となった。
最後になるが、製造所または加工所の所在地・名前は、表示責任者(製造者・販売者)の氏名または名称・所在地に近接して書かなければならないと定められている。
製造者:株式会社角川アーキテクチャ
さて、ラベルの内容に戻って見直してみよう。
製造者:株式会社角川アーキテクチャ 〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目13番3号
製造者の記載がある。販売者の記載がない。
これを製造したのは株式会社角川アーキテクチャで、販売しているのも角川アーキテクチャ。どこか別の会社が作ったものを、角川アーキテクチャが卸売り業者として入荷して販売したものではない(卸売り直売ではない)ということである。
住所は角川本社第2ビル。
製造者の記載がある。加工所の記載がない。
つまり、「このパンの製造者は株式会社角川アーキテクチャです。製造・加工も株式会社角川アーキテクチャで、製造場所は角川本社第2ビル内です」ということになる。
「角川本社第2ビル内に角川アーキテクチャが運営・所有しているキッチンがあり、そこでパンを作ったんだ」という擁護があるかもしれない。
たしかに、それだったらセーフである。
その場合、角川アーキテクチャが「この場所で食品を扱っていいですよ」という『営業許可証』、「パンやお菓子を作っていいですよ」という『菓子製造業許可証』を取得していなければならない。
そして有志が千代田保健所に対して行った開示請求の結果がこれである。
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/gameswf/1665478774/506 506◆A2eUHS4qIg (ワッチョイ 6f93-6drP)2022/10/12(水) 15:56:43.80ID:yUy07WZl0 お疲れ様です。 パンの件について千代田保健所より。 今回、ご指摘のあったパンは当区内の菓子製造施設で製造したものと確認しました。 お送りいただいた画像のような表示は不適正ですので、表示について当保健所から指導します。 情報提供、ありがとうございました。 とのこと。 とりあえず時期が経ったらどこにどんな指導が入ったか請求してみる。 取り急ぎご報告まで。 ちなみに角クチャの住所での菓子製造許可だが大方のお察しの通り不存在だった。 (実は先週届いてましたが問い合わせが連休をまたいでいたので今日の報告となりました。ほんとゴメン) https://i.imgur.com/OKUYdyG.jpg
菓子製造許可もってないじゃん。
「角川アーキテクチャが菓子製造許可を得ていないにも関わらず違法にパンを製造して販売した食品衛生法違反」か「角川アーキテクチャが適切な製造所名を記載していないパンを販売した食品表示法違反」のどちらかが確定。
今回の開示請求を元に申請者で各種根拠を提示し
この状況では「角川アーキテクチャが無許可でパンを製造した、あるいは誰かが角川アーキテクチャの名前を勝手に使用した」と考えられるが これ以外かつ合法である状況、すなわち菓子製造許可を取った者がパン製造を行いかつ画像のような製造者表示を行っても問題ない状況はありうるか。
と問い合わせたのだが上記の返答の通り千代田保健所による指導が行われることとなった。
これを事件として正式に立件するかどうかは悪質さ、常習性、指導に対する姿勢などを複合的に考慮して、千代田保健所(東京都・厚生労働省)や消費者庁などが決めることになる。
『ご指摘のあったパンは当区内の菓子製造施設で製造したものと確認しました』とのことだが、それがカレー機関であった場合、営業許可証をもつ株式会社プレジャーパーティーが保健所の指導・立ち入り調査の対象になるかもしれないのは勿論、対外的にカレー機関を運営していることになっているC2プレパラートも対象となるかもしれない。
これが正しい記載だったんじゃないか?
仮に製造所がカレー機関であった場合、名前は法人名、住所は製造場所を記載しなければならないので、次のように記載しなければならない。
製造者:株式会社PleasureParty 〒155-0033 東京都世田谷区代田1-35-13 製造所:株式会社PleasureParty 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-24-27 KSビル 販売者:株式会社角川アーキテクチャ 〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目13番3号
法人名と住所があれば事足りるので、「カレー機関」という屋号・工場名は必ずしも記載する必要がないが、あるとより親切である。
PleasurePartyはカタカナで書いても構わない。
製造所さえ正しく記載していれば、製造者・販売者は「登記簿の情報でなくても構わない」のだから「カレー機関」という記載でも可。
ただ……この記載の場合、PleasureParty(カレー機関)という生産者から「パン」という商品を角川アーキテクチャが販売者として仕入れ(商品在庫の移動)、角川アーキテクチャが販売したことになる。
生産者のPleasureParty(カレー機関)に角川アーキテクチャへ卸した全個数分の売上が立ち、販売者の角川アーキテクチャに現地で顧客に売った分の売上が立つのならこれでOKである。
しかし実際は角川アーキテクチャはただの販売協力で僅かな手数料を受け取るのみで、損益はPleasureParty(カレー機関)に立つのなら……「販売者:角川アーキテクチャ」も怪しいという話になってくるのでは?
それを確かめる術はない。
また無いと信じたいが「角川アーキテクチャは販売していない」となる場合は以下のようにすれば良い。
製造者名をPleasurePartyにして、製造者所在地をカレー機関の住所にする。問い合わせはカレー機関で行う。そうすれば製造者と製造所が一致するので記載省略が認められる。
角川アーキテクチャはコンビニのようにパンを入荷して販売しただけ、もしくはパンの売り場にいたスタッフはカレー機関の店員で角川アーキテクチャはノータッチというスタイル。
製造者:株式会社PleasureParty 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-24-27 KSビル
ただしリアイベに来る層のほとんどは「カレー機関の運営元はC2機関またはC2プレパラートであって、PleasurePartyとかいう謎の会社ではない」ということになっているので「カレー機関と同じ住所にあるPleasurePartyってなんだよ」とはなりそうである。
余談
艦これ信者の中には問題が発生した際に「逮捕までいかなかったのならセーフ。無罪!」とはしゃぐ者がいるが、それは大きな間違いである。
コンプライアンスは逮捕されなかったら何でもやっていいというものではなく、問題になりそうなことは自らを律して防ぎ、問題が起きないようにすることが求められる。
身近なことに言い換えれば、『重大な問題にならなかったら、時間を守らなかったり、約束を破ることを何度も繰り返していいか』という話である。
そんな企業は信用されなくなり、取引先企業が引き上げたり付き合いを嫌がり疎遠になっていくのは当たり前である。
「逮捕されなかったのだから犯罪になってない。ならば問題はない」という考え方は厳に慎むべきである。
最後に
株式会社プレジャーパーティーまたは株式会社C2プレパラートの名前と住所を出すのが悔しいから、今回は株式会社角川アーキテクチャの名前と住所を使ったのかもしれない。
角川アーキテクチャの親会社は贈賄疑惑で渦中の株式会社KADOKAWAである。
それでなくてもグループ全体が揺れているというのに、誰かさんの個人的な都合・雑な仕事のせいで保健所からの指導を受けることになってしまい、また余計な苦労をする羽目になってしまった。