「パン食品表示法違反事件」の版間の差分

139行目: 139行目:


==== 原材料名 ====
==== 原材料名 ====
>北海道産小麦、北海道産くるみ、クリームチーズ、チェダーチーズ、北海道産バター、卵、砂糖、塩、とかちの酵母
北海道産小麦、北海道産くるみ、クリームチーズ、チェダーチーズ、北海道産バター、卵、砂糖、塩、とかちの酵母
>(原材料の一部に乳成分、卵、小麦、大豆を含む)
(原材料の一部に乳成分、卵、小麦、大豆を含む)


&size(16){&color(#ff0000){&bold(){【違反】}}}
<span style="font-size:120%;color:red;">【違反】</span>


ここに書く順番には決まりがあり、原材料に占める重量の大きいものから順番に書かなければならない。
ここに書く順番には決まりがあり、原材料に占める重量の大きいものから順番に書かなければならない。<br />
しかしそれを確認する術がないので、いったんそれは置いておこう。
しかしそれを確認する術がないので、いったんそれは置いておこう。


ラベルが悪いのか擦れてしまったのかはわからないが、「原材料名」である。
ラベルが悪いのか擦れてしまったのかはわからないが、「原材料名」である。<br />
「原材料」と書いてはいけない。ここはクリアしているようだ。
「原材料」と書いてはいけない。ここはクリアしているようだ。


問題は次の記載されている原材料の名称である。その中の「北海道産小麦」「北海道産くるみ」「北海道産バター」に注目していただきたい。
 
よく考えてみればわかると思うが、「北海道産小麦」や「北海道産くるみ」と命名された植物があるだろうか。そんなものはない。
問題は次の記載されている原材料の名称である。その中の「北海道産小麦」「北海道産くるみ」「北海道産バター」に注目していただきたい。<br />
また「北海道産バター」も、本来は北海道産のバターという意味であって、ココアバターのように一般化された名称ではない。
よく考えてみればわかると思うが、「北海道産小麦」や「北海道産くるみ」と命名された植物があるだろうか。そんなものはない。<br />
また「北海道産バター」も、本来は北海道産のバターという意味であって、ココアバターのように一般化された名称ではない。<br />
ここに書くべきは「最も一般的な名称」と定められているため、正しい記載は『小麦』『くるみ』『バター』となる。
ここに書くべきは「最も一般的な名称」と定められているため、正しい記載は『小麦』『くるみ』『バター』となる。


原産地を特にアピールしたい場合に「小麦(国産)」「小麦(北海道産)」などと書くことは認められている。
原産地を特にアピールしたい場合に「小麦(国産)」「小麦(北海道産)」などと書くことは認められている。<br />
その場合、北海道産と書いていながら輸入品を使用した場合は産地偽装、品質の優良誤認表示となり、別の法律に抵触することは注意が必要である。
その場合、北海道産と書いていながら輸入品を使用した場合は産地偽装、品質の優良誤認表示となり、別の法律に抵触することは注意が必要である。


一番最後の「とかちの酵母」であるが、これは日本甜菜製糖株式会社の商品名である。
一番最後の「とかちの酵母」であるが、これは日本甜菜製糖株式会社の商品名である。<br />
複合原材料(複数の原材料からなる原材料、例えばチョコレートなど)は、材料名の後ろに()を付けてその構成材料を書くことはあるが、使った商品名を書くことはあり得ない。
複合原材料(複数の原材料からなる原材料、例えばチョコレートなど)は、材料名の後ろに()を付けてその構成材料を書くことはあるが、使った商品名を書くことはあり得ない。<br />
「牛乳」と書かずに「森永のおいしい牛乳」と書いているようなものである。
「牛乳」と書かずに「森永のおいしい牛乳」と書いているようなものである。<br />
正しい記載は『パン酵母』『ドライイースト』などとなる。
正しい記載は『パン酵母』『ドライイースト』などとなる。


最後の部分に(原材料の一部に乳成分、卵、小麦、大豆を含む)とある。
 
最後の部分に(原材料の一部に乳成分、卵、小麦、大豆を含む)とある。<br />
これは特定原材料というアレルギー物質表示であり、必ず書かなければならないと定められている。
これは特定原材料というアレルギー物質表示であり、必ず書かなければならないと定められている。


書こうとしたことは立派(といっても当たり前)なのだが、惜しいことに書き方が間違っている。
書こうとしたことは立派(といっても当たり前)なのだが、惜しいことに書き方が間違っている。<br />
(原材料の一部に~)という書き方は認められておらず、(一部に~)と書かなければならない。
(原材料の一部に~)という書き方は認められておらず、(一部に~)と書かなければならない。<br />
また、材料の区切りに「、」は認められておらず「・」を使用しなければならない。
また、材料の区切りに「、」は認められておらず「・」を使用しなければならない。


つまり『(一部に乳成分・卵・小麦・大豆を含む)』が正しい表記となる。
つまり『(一部に乳成分・卵・小麦・大豆を含む)』が正しい表記となる。<br />
ちなみにこれは一括表示であり、「バター(乳成分を含む)」といった形で個別表記も可能である。
ちなみにこれは一括表示であり、「バター(乳成分を含む)」といった形で個別表記も可能である。


古い資料を参考にしてラベルを作っている場合、同じようなミスをしている可能性があるので、同業他社は注意。
古い資料を参考にしてラベルを作っている場合、同じようなミスをしている可能性があるので、同業他社は注意。<br />
特定加工食品として、使用しているアレルゲンが容易にわかるもの「マヨネーズ(※この場合は卵)」「パン(※小麦)」は記載を省略しても良いという規則も、現在は撤廃されていますので必ず記載を確認しましょう。
特定加工食品として、使用しているアレルゲンが容易にわかるもの「マヨネーズ(※この場合は卵)」「パン(※小麦)」は記載を省略しても良いという規則も、現在は撤廃されていますので必ず記載を確認しましょう。


食品添加物が入っている場合は別途ルールがあるのだが、(書かれている内容を信じるならば)入っていないようなので省略する。
食品添加物が入っている場合は別途ルールがあるのだが、(書かれている内容を信じるならば)入っていないようなので省略する。


==== 内容量 ====
==== 内容量 ====
3,436

回編集