「フェイスマスク事件裁判・判決編」の版間の差分

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=== 本件ツイートによる原告Aの肖像権及び名誉感情の侵害の成否 ===
=== 本件ツイートによる原告Aの肖像権及び名誉感情の侵害の成否 ===
被告がTwitterで投稿したツイートが、原告Aの肖像権や名誉感情を侵害しうるのかについてが争点である。
'''原告Aの主張'''
【肖像権の侵害】
被告は、別紙 4 投稿目録(5)のとおり、原告Aの許諾なく、人物を特定するに十分な大きさで同人の顔写真をツイッターに投稿した。これは、原告Aの肖像権を侵害する。
【名誉感情の侵害】
被告は、別紙 4 投稿目録(6)のとおり、原告Aを揶揄ないし愚弄する内容の投稿を行った。これらの投稿は、多くのネットユーザーに対し、原告Aに関する誤った印象を植え付けると共に、同原告に対して多大な精神的苦痛を与えるものである。
したがって、被告の上記投稿は、原告Aの名誉感情を侵害し、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為である。
(全文pdf 13ページ目)
'''被告の主張'''
否認ないし争う。
(全文pdf 13ページ目)
原告Aをおよび被告の主張は上記のとおりである。<s>被告の主張短すぎない?</s><br>
争点は「原告Aの写真や原告Aを揶揄する被告のツイートは、原告Aの肖像権や名誉感情の侵害に当たるのか」であり、問題としては実にシンプルであると言える。
'''裁判所の判断'''
【肖像権の侵害】
被告は、別紙4投稿目録(5)のとおり、原告Aの許諾なく複数の顔写真を投稿した(前提事実(2)ア)。これらの投稿に加え、同一アカウントに投稿されたツイート(別紙4投稿目録(6))の内容等を踏まえると、被告による原告Aの顔写真の投稿は、同原告を揶揄する目的でされたものと理解される。
このような使用目的及び使用態様等に照らすと、原告Aの顔写真に係る被告の行為は、自己の容貌等の写真をみだりに公開されないことについての同原告の人格的利益を侵害し、その侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるものとして、不法行為法上違法と認めるのが相当である。これに反する被告の主張は採用できない。
【名誉感情の侵害】
被告は、別紙4投稿目録(6)のとおり、原告Aに関する投稿をした(前提事実(2)ア)。これらの投稿は、その内容に照らし、原告Aを揶揄ないし愚弄するものと理解される。
したがって、被告による上記各投稿は、原告Aに対する社会通念上許される限度を超える侮辱行為であり、同原告の人格的利益を侵害する違法なものとして、不法行為に当たると認めるのが相当である。これに反する被告の主張は採用できない。
(全文pdf 23~24ページ目)
裁判所は「肖像権の侵害」「名誉感情の侵害」それぞれについて以下のように判断した。
*被告は原告Aの許諾なく原告Aの顔写真を複数ツイートした。加えてそれらのツイートは、原告Aを揶揄することを目的として行われたと理解できる。よって被告のツイートは肖像権を侵害しており、その侵害が社会生活で受忍できる限度を超えていると見なすことができる。
*被告は原告Aに関するツイートを行っており、それらのツイートの内容は原告Aを揶揄ないし愚弄するものと理解される。よって被告のツイートは原告Aに対する社会通念上許される限度を超えた侮辱行為であり、原告Aの名誉感情を侵害していると言える。
上記のことから裁判所は原告Aの主張を全面的に支持し、被告側の主張を退けた。<br>
肖像権の侵害については、「本人とはっきりわかる写真を」「本人の許諾を得ることなく」「不特定多数の人が見られる場で公開した」という点で明らかと判断できる。加えて被告は原告Aの写真に(水着を着ているようにみえる)加工を施したりしているため、原告Aを揶揄するものとして悪質と判断されたと思われる。
名誉感情の侵害については、[https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/953/091953_hanrei.pdf 添付文書]を見るとわかるように原告Aを揶揄した下ネタやイラスト画像をツイートしているため、それらの点から原告Aに対する侮辱行為と判断したと思われる。


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=== 名誉毀損や権利侵害に関わる争点の小括 ===
以上の争点から、原告Aないし原告会社から出された請求について裁判所は以下のように小括した。
'''原告Aの請求について'''
以上のとおり、被告による本件同人誌の頒布等による原告Aの名誉毀損並びに本件マスクを着用して本件同人誌を頒布等した行為による同原告の肖像に係る人格的利益及び名誉感情の侵害は、いずれも同原告に対する不法行為を構成するものと認められる。また、被告のツイッターにおける本件店舗に関する投稿による原告Aの名誉毀損並びに同原告の顔写真等の投稿による同原告の肖像に係る人格的利益及び名誉感情の侵害は、いずれも原告Aに対する不法行為を構成するものと認められる。
他方、本件同人誌の頒布等による原告Aのパブリシティ権の侵害及び被告のツイッターにおける被差別部落に関する投稿による同原告の名誉権の侵害は認められない。
'''原告会社の請求について'''
以上のとおり、被告による本件同人誌の頒布等及び被告のツイッターにおける本件店舗に係る投稿による原告会社の名誉毀損は、いずれも原告会社に対する不法行為を構成するものと認められる。
他方、被告のツイッターにおける本件キャラクターの人権等に言及する投稿、本件キャラクターに関する卑猥な投稿及び被差別部落に関する投稿については、いずれも原告会社の名誉を毀損するものとはいえず、原告会社に対する不法行為を構成するものとは認められない。
(全文pdf 24ページ目)
== 損害賠償に関わる争点 ==
== 損害賠償に関わる争点 ==
損害賠償に関わる争点は下記の通りである。
損害賠償に関わる争点は下記の通りである。
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