「フェイスマスク事件裁判・判決編」の版間の差分

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=== 本件同人誌の頒布、本件マスクの着用等による原告Aのパブリシティ権侵害の成否 ===
=== 本件同人誌の頒布、本件マスクの着用等による原告Aのパブリシティ権侵害の成否 ===
被告がフェイスマスクをして同人誌を配布した行為が、原告Aのパブリシティ権侵害を侵害したのかについてが争点である。
'''原告Aの主張'''
個人は、人格権に由来する権利として、その氏名、肖像等をみだりに利用されない権利を有する。肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合、その顧客吸引力を排他的に利用する権利であるパブリシティ権も、この人格権に由来する権利に含まれる。具体的には「専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に」違法なパブリシティ権侵害となり、①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用する場合、②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付す場合、③肖像等を商品等の広告として使用する場合がこれに当たる。
本件において、被告は、原告Aの顔写真を、実際の人物の顔と同等以上の大きさのマスクに使用し、このマスク(本件マスク)を着用しながら、本件マスクを掲載すると共に本件3コマ漫画において原告Aの氏名を無断で使用し、同漫画の著作者として表示した本件同人誌を本件即売会において頒布した。これは、上記①~③のいずれの場合にも該当する。
したがって、被告の上記行為は、原告Aのパブリシティ権を侵害する。
'''被告の主張'''
否認ないし争う。
被告は、本件マスク自体は販売していない。また、原告Aの肖像には顧客吸引力が認められるほどの周知性はない。このため、本件マスクを被った人物は人目を引いたかもしれないが、これを広告として利用したとはいえない。
被告がフェイスマスクをして同人誌を配布した行為がパブリシティ権侵害に値すると主張する原告A側の根拠は以下の通り。
*個人は自身の肖像等をみだりに利用されない権利を有し、肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合はパブリシティ権が発生する。
*被告が原告Aの顔写真をフェイスマスクに使用したこと、同人誌にフェイスマスクを掲載し3コマ漫画に原告Aの氏名を無断で使用したこと、原告Aを3コマ漫画の著作者として表示したこと、その同人誌をフェイスマスクを着用しながら頒布したことは原告Aのパブリシティ権を侵害する。
対して被告側の反論は以下の通り。
*被告はフェイスマスクを販売しておらず、原告Aの肖像にも顧客吸引力が認められるほどの周知性はない。フェイスマスクを被った被告は人目は引いたかもしれないが、広告として利用したとは言い難い。よってパブリシティ権の侵害には当たらない。


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=== 本件同人誌の頒布、本件マスクの着用等による原告Aの肖像権及び名誉感情の侵害の成否 ===
=== 本件同人誌の頒布、本件マスクの着用等による原告Aの肖像権及び名誉感情の侵害の成否 ===


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